自律神経失調症と、心と身体の状態

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体調が悪いのに原因がわからない

自律神経失調症

「体がふらふらして、外出するのが怖い」「ときどきめまいがして、手足も冷える。その上に胃腸の調子もよくないし」「体中悪いところだらけなのに、病院で診てもらっても異常はないと言われた」――こんな人が、最近非常に増えています。
このような症状が出てくると、内科や整形外科、耳鼻科、婦人科などの一般科を受診する人が多いようです。

しかし、検査を受けてもこれといった異常は見つからず、「気のせいですよ」とわれたり、「低血圧症」「更年期障害」「慢性胃炎」「メニエル症候群」などの病名がつけられて、対症療法(表面に出ている症状に合った治療をすること)が行われたりします。
しかし、どんなに熱心に病院に通ってもよくならないために、結果としてドクター・ショッピング (何回も医師を変えること)を繰り返すことになりがちです。

偏った生活習慣が、自律神経失調症をまねく

飲みすぎ

最初に挙げたような症状に対しては、“自律神経失調症“という診断名がよくつけられます。
自律神経失調症は、内臓や器官には異常はなくても、その人の生活習慣の偏りによって、身体を働かせる自律神経の機能が調和を崩すために起こるものです。 そのために、臨床検査では異常が現れないことが多いのです。

たとえば、新車のときにはどれも同じだった車が、乗る人の運転のクセによって、故障とまではいかなくてもギクシャクしたり、きしみだしたりするのと同じです。 その人の運転法が悪い、というわけではありません。
スピードを楽しむ走り方も、「景色を楽しみながらのんびり運転する」という走り方も、運転する人の個性です

自律神経失調症にかかる人の生活習慣にも、さまざまなクセが見られますが、それはその人の感性から生まれてくるもので、決して「よい・悪い」の問題ではありません。
個性的な性格は、その人の能力を伸ばす反面、その人を傷つけることもあります。その傷ついた部分が、“自律神経失調症“という症状になって現れてくることがるのです。

重く、長く続くストレスで、自律神経失調症に

ストレス

最初に挙げたような症状に対しては、“自律神経失調症“という診断名がよくつけられます。
自律神経失調症は、内臓や器官には異常はなくても、その人の生活習慣の偏りによって、身体を働かせる自律神経の機能が調和を崩すために起こるものです。 そのために、臨床検査では異常が現れないことが多いのです。

たとえば、新車のときにはどれも同じだった車が、乗る人の運転のクセによって、故障とまではいかなくてもギクシャクしたり、きしみだしたりするのと同じです。 その人の運転法が悪い、というわけではありません。
スピードを楽しむ走り方も、「景色を楽しみながらのんびり運転する」という走り方も、運転する人の個性です

自律神経失調症にかかる人の生活習慣にも、さまざまなクセが見られますが、それはその人の感性から生まれてくるもので、決して「よい・悪い」の問題ではありません。
個性的な性格は、その人の能力を伸ばす反面、その人を傷つけることもあります。その傷ついた部分が、“自律神経失調症“という症状になって現れてくることがるのです。

女性に、自律神経失調症が多いのは

腹痛

自律神経失調症にかかりやすい世代には、バラツキがあって、どの年代に多いかということは、はっきりとは区別できません。ただ、男女の別では、女性のほうが多くなっています。 女性の体は、月経、妊娠、出産、閉経など、男性にはない複雑な内部環境(ホルモンや自律神経)の変化にさらされています。

さらに、社会的役割が評価されにくいこともあって、職場・家庭生活、育児、介護などの中で、不安や葛藤、緊張、欲求不満の状態に陥りすいのです。 自律神経失調症にかかる人が、男性よりも女性に多いのは、このような女性特有の体のリズムと、女性の置かれている心理的、社会的状況という2つの要因があるからです。

自律神経失調症は、「心身症」の1つ

脳と自律神経

近代の西洋医学では、人間を「体」と「心」の2つに分けて、病気を「身体疾患」と「精神疾患」に分類しています。多くの病院では、病気はそのどちらかに分けられ、その範囲の中だけで診断と治療がなされているのが実情です。 しかし、最近の社会の複雑化や人間関係の希薄化、それに伴う人々の心の変化によって、ストレス関連疾患がますます増加し、「身体疾患」か「精神疾患」かという分け方では対応できない病気も多くなりました。

そこで、「心身症」という病気の概念が出てきたのです。心身症とは、発症や経過に心理社会的なストレスが密接に関与していて、器質的異常(臨床検査や画像検査で異常が認められる疾患)や機能的異常(一般的な検査をしても異常が見つかりにくい疾患)が認められる身体疾患を総称します。ただ、神経症やうつ病など病名のついた精神疾患に伴う症状は含まれません。 自律神経失調症は、心身症の中の機能的疾患に含まれます。

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