自分がもっと分かる場所
なぜ今、身体が悲鳴をあげたのか
ある日覚える違和感。肩や腰が重い、呼吸が浅い、夜眠れない。そんな時、私たちは「疲れてるだけ」「年だから」と片づけてしまいがちです。
でも私は、今までの治療家人生で確信していることがあります。それは、どんな不調も偶然ではなく必然。意味があって起きているということ。
我慢したこと、無理をした日々、置き去りにした感情。身体は覚えています。「はやく気づいて」「このままじゃ辛いよ」と伝えています。
不調は、あなたを苦しめるものではありません。「今ここで、一度立ち止まって」というサインです。身体は、いつもあなたの味方です。
「私は大丈夫」と自負している人ほど、身体のトラブルに対応できません。今まで、そういう多くの方と出会ってきました。
頑張り屋の人ほど、誰かのために生きてきた人ほど、身体の奥深くに何とも言えない想いをため込んでいます。
そのように無理をしすぎた結果、ある日限界がきて、ブレーキがかかってしまうのです。それが今のあなたです。
「早く治さなきゃ」「何とかしなきゃ」と焦るのも無理もありません。ただ、そこで一度、冷静になる必要があるのです。
恐れず深くかかわる姿勢がカギ
不調とは、中学のやんちゃ少年のようなもの。表面的に関わるとエスカレートします。焦って解決しようとするほど、逆効果です。
想像してください。新人教師が「やめなさい~!」と大慌てになる場面。彼らは素直に言うことを聞いて、大人しくなるでしょうか?
一方で、ベテラン教師が「おい、俺に何でも話せ」と真正面から向き合う。すると、意外とシュンと静かになってしまう。不調も同じです。
大切なのは、状態にとらわれず、腹を括って深く知ろうとすること。その姿勢があれば、半分治ったようなものです。ビビってはダメです。
治そう治そうとする前に、まずは「なぜ今このタイミングで不調が現れたのか?」という疑問をもつことからのスタートです。
不調は、実は絶好のタイミングであなたの元に訪れたんです。一度そんな風に考えてみてください。それが回復への第一歩です。
当院は、ただ症状をとるだけでなく、その裏側を掘りさげていきます。その過程で、身も心も解放され、自分への気づきが生まれます。
そうなると、不調が存在する必要がなくなります。居場所を失った不調は、おのずと去っていきます。それが本来の治癒です。
ありのままを失うと病気になる
「本当は嫌なのに断れない。」「周りの空気を読みすぎてしまう。」いつの間にか”他人軸”で生きてしまっている自分。
それは社会を生きるための知恵でもあります。しかし、それが長年続くと、身体に無意識の緊張が生まれていきます。
私たちは日々、自分らしさを少しずつ失っていきます。さらに恐いのは、それがしだいに普通になり、麻痺していくことです。
自分らしさとは、ワガママとは違います。大切なのは「自分の心地よさにちゃんと気づいているか?」ということです。
大切なのは、身体を、他人のリズムから自分のリズムに切り替えること。それが自律神経にも直結していきます。
もちろん、外では「外向きの自分」でいなきゃいけません。それは誰だってそうだし、決して悪いことじゃない。
大切なのは、家に帰ったあとの時間です。その時に肩の力を抜けているか?ゆっくり呼吸しているか?そこに着目すべきです。
この身体の切り替えがうまくできると、自律神経がスムーズに動き始めて、身体の負担はグッと減っていきます。