自律神経って、どんな神経?

目次

体のバランスをとる、自律神経

環境に適応

人が生活する環境には、いろいろな変化がおとずれます。夏は暑い、冬は寒い。晴れの日もあれば、雨も降りますよね。それによって、ときには高熱がでたり、咳が止まらなかったり。

大げさな言い方ですけど、どんな環境においても死ぬわけにはいかない。なんとかして、生きつづけなければいけない。そのように体は考えています。

そのため、私たちには、ある大きなメカニズムが備わっています。それは、外部の環境に対応し、バランスをとりながら、体を元の状態に戻そうとするはたらきです。

このはたらきのことを、専門的な呼び方で、”ホメオスタシス”といいます。まあ、この言葉じたい、覚える必要はないですけど。

自律神経は内臓を動かす

このホメオスタシスを保つために、全身をコントロールしているものこそ、現在あなたが気になっている、“自律神経”です。

この自律神経は、内臓や血管、汗を出す腺、目の中の瞳など、あらゆるところに関わっています。

そして、この神経は人間の意思とは関わりなく、完全に独立して、はたらき続けています。24時間休むことなく、フル稼働です。

つまり、自律神経を思いのままに、操作することはできないということ。「動け、動け」と念じたところで、全く反応することはありません。ここが大きなポイントです。

交感神経と、副交感神経

交感神経と副交感神経

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。

交感神経は「活動する神経」といわれ、仕事や運動のときなど、頑張らなくてはいけないときに作用します。心臓の鼓動や血圧を高め、精神活動を活発にさせます。

副交感神経は、内臓や器官の働きをリラックスさせる神経で、「休む神経」と言われ、睡眠、休息などをとるときに働きます。

体をスムーズに働かせるために、2つの神経は、お互いにリズムをとり合っているのです。
なお、副交感神経は消化器の活動や消化液の分泌もコントロールし、 緊張によって交感神経が強く働くと副交感神経の働きが抑えられ、「食事ものどを通らない」ということになります。

自律神経に指令をおくる、脳のはたらき

自律神経に指令をおくる、脳のはたらき

脳は、内側から視床下部、大脳辺縁系、大脳皮質という構造になっています。自律神経の中枢は、視床下部にあります。 人間の高度な精神活動は、いちばん外側の大脳皮質が行っています。

その下の大脳辺縁系は、喜怒哀楽、食欲、性欲、睡眠欲、集団欲(同種の仲間と集団を作りたい欲求)など、動物に欠かせない本能的な欲求を生み出すところです。 大脳辺縁系で出された欲求は、視床下部から自律神経に伝わり、最終的には循環器や消化器、呼吸器などにたどり着きます。

欲求を抑えられると、自律神経のリズムが狂う

甘いもの食べ過ぎ

人間は、大脳皮質の働きによって、ものを考えたり、感動したり、記憶を蓄積して将来に起こることに備えたりすることができます。
これらの能力は、他の動物にはないものですが、同時に、自分の本能的な欲求まで抑えることにもなってしまいます。

そして、「食べたい」「眠りたい」「愛し合いたい」などの本能的な欲求や、喜怒哀楽の情を抑えているうちに、 大脳皮質と大脳辺縁系、視体下部の間のコミュニケーションが乱されます。その結果、本来順調に働くはずだった自律神経のリズムが乱されることになるのです。

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